釣人達の釣行奇談
『釣り達人たちの裏話』
佐々木一男編 廣済堂出版
この本は、著者44人からなる釣行奇談の短編集です。
川釣りから海釣りまで様々な釣人が登場します。
大見出しとして、「釣りの今昔」、「その人との出会い」、「不思議な魚」、「恐怖」、「魚へのメッセージ」などから構成されています。
渓流以外(海釣り、川釣り、鮒釣りなど)の作者の記事も、いろいろとためになりましたが、渓流関係の記事は購入後直ぐに拾い読みしました。
特に、印象深かったのは、「山本素石」の「好奇心」と言う記事。
『夏ヤマメ 一里一ぴき』で始まるこの文。
なぜ、渓魚が秋に産卵するのか?
山地の荒々しい渓谷に渓魚が生きながらえた理由は?
また、「奥山文弥」の「イワナとのかけひき」なども面白い内容でした。
この中の一節で、釣り上げた後の魚の目付きを次のように表現されています。
ヤマメやニジマス→「観念、無念」と言う感じ。
イワナ→「キョトン」としていている。
感じ方は、人それぞれだと思いますが、イワナが「キョトン」とした愛嬌のある顔をするのは、私も感じていることです。
好きなページを読みながら、「自分もそう思う」とか「なるほど」とか。
頭の中には、実際の渓や釣れた時の様子が浮かんで来て、また釣りに行きたくなってしまいます。
こうした短編集は、好きな時に好きなページだけを読めるので、時たま本棚から持ち出しては読んでいます。
この本には、続編もあるようなので、また買って読んでみようかと思います。^^
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