【罰ゲーム】 X 峪釣行記
これが、うわさの「男の笹道」か。
熊笹を手で掻き分け、掻き分け・・・。
かなりの距離、熊笹道を歩いた。
ここまで来ると、不思議とくもの巣もほとんど見当たらない。
虫も入り込まない熊笹の尾根道。
額の汗が、目に染みて視界がぼやけた。
振り返れば、尾根に延々と生える熊笹がそよ風に揺れている。
ぼやけた目には、それが幻のように思えた。
熊笹に先を遮られ、視界は悪い。
人間、先が良く見えないと不安になるものだ。
歩みを緩めてしまったり、違う道に迷い込んだり。
でも目的があれば、遮二無二に進むパワーが体の内から湧いて来る。
私は、Hさん、Sさん、Yさんの後を何とか着いて行った。
もう3時間は歩いただろうか。
やがて笹道を抜けるとガレ場に出た。
その谷底には一筋の流れが粛々と流れている。
4人とも慎重にそのガレ場を下った。
沢の水で顔を洗い、それぞれが釣り支度を始める。
(中略)
高さ20mはありそうな垂直の爆流が、見えて来た。
そこには、深く青い淵が山の緑を映し込んでいる。
いくつかのイワナが淵尻に並んで浮いていた。
交替でキャストして、みんな良型のイワナをネットへ。
魚影は濃いようだ。
ただそれでも満足していない4人の顔。
東北に住むと言う「タキタロウ」ほど大きい魚はいないだろうが・・・、
この淵の雰囲気は、大きなイワナの存在を匂わせた。
少し休憩がてら場を休める。
その後、Yさんがフライをキャストすると、元気良く25cmほどのイワナが飛び出した。
必死に潜ろうとするそのイワナが、かけ上がりに沈む大岩まで来た時。
そいつは突然に下から沸き上がった。
躊躇することを全く知らないかのような猛アタック。
あっと言う間の出来事だった。
2尺近い魚が、Yさんの釣ったイワナを飲み込んで水底に消えた。
一体あの魚は・・・。
(また中略)
この峪の帰り道。
峪川沿いの岩棚に仮住まいのあるY猿さんを尋ねた。
Y猿さん、次回は一緒に行きましょう。(笑)
20〇〇年〇月、『X峪釣行記』
尚、この釣行記はフィクションであり、登場する人物は実在します。(笑)
【ヤマメダービーの罰ゲーム】は、「大鳥池のタキタロウに迫る!」㈱コスミック出版、
を見て感想文を書くこと。
子供と一緒にそのDVDを見てみた。
素直にその感想文を書こうと思ったが、罰ゲームを勝手に妄想釣行記に置換。
このDVDは、そんな妄想をせずにはいられない魅力があった。
へほ爺さん、お許し下さいませ。(笑)
奈良子でご一緒したyukimuさん、さのやさん、へほ爺さんに、
「妄想源流釣行」へ登場してもらいました。
スペシャルゲストとして、山猿さんにも。
皆さん、勝手に登場して頂いた上、ギャラもなくて申し訳ない。(笑)
もしもこんな源流の淵があったとしたら、内緒で行かないで下さいね。
お願いしますよ。(笑)
PS
「大物ヲ瀧太郎ト云 五尺計ノモノ大鳥川ヨリ流レ来ルコト有ト聞ク」
松森胤保著『両羽博物図譜』(1885年)
『Wikipedia』より
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